2007 EXPEDITION to the Marginal

コンチネンタルでグアムジャンプでケアンズへ ケアンズからウェイパヘくすんだ緑の大地が何処までも続き。
やがて赤褐色の地表がみえてくる。川は複雑に曲がりくねりその周りだけが深い緑色である。

ここに通うようになって早15年が経過しようとしている。その為か毎年おかっぱりのポイントが増え続ける。
潮さえちゃんと読めば多分20匹程度の魚は釣る事が出来そうである。空港に着くなりレンタカー屋でクソ高い
レンタカーを借りる。ホテルで急いで荷解きしておかっぱりタックルで早速様子見である。
マングローブの根は強く大人の体重でもそう簡単には折れたりしない。それを伝って海岸へ出てチョイトルアーを投げると
強烈なひきと共に懐かしい魚が釣れるのである。ボートからはかなり奥に入れ込む必要があるがおかっぱりは結構アバウト
で問題ない。問題なのは障害物に近くファイトする事からかなりの確率で木に巻かれるという事だけである。


船に乗らずとも80センチぐらいまでは何とか上がる。そんな良いポイントだが問題がある。そうワニの存在である。
だからなるだけ岸よりにたたずに常に何かを縦にしたポジションで釣りを行う必要がある。

だが本当に奴らがやる気になればこれぐらいなんとも無い。前菜のバラマンディに、メインディッシュは日本食という事に
なるかもしれない。ただ、周りに常に気を配り、ヒットしても水辺まで行かなければそこまで危険ではない。ただこんなことがあった。
1匹めのバラマンディを釣って2匹目が続いてヒット水面で魚が大きくはねた時バラマンディをおって2、5m程の小ワニが10m程沖に
突然浮き上がってきた。バラマンディが暴れるたびに近づいてくる。彼らは水音に敏感で足で水をばしゃばしゃとかくと
近づいてくる。それを思えば必然である。ただ、私を警戒しているようで結局は一旦5mほどまで近づいて沖に行って恨めしそうに
こっちをみている。こっちも商売柄魚の写真が必要なのでくれてやるには魚がでかすぎる。魚の写真を撮っている内に
いなくなってしまった。しかし良く釣れるポイントだったというか超排他的でバランスが悪いと釣りにならないからであろう。
実際5人中2人しか釣ってない。明日から世話になるガイドのジムも近くで釣りをしていた。なんというか
「釣りのガイドで休みに釣りかよ?」。という釣り好きである。さすがに私たちのジャングルフィッシングには呆れて帰ってしまった。

藪の釣から海岸に帰ると今村君がこれまたデカイ魚を大人気ないタックルで岩場に引き吊り上げていた。「きっと君はボート乗っても
これ以上のサイズのバラを釣る事は無いだろう」。優しく宣告してやり実際そのとおりになった。

翌朝7時半にホテルを出てハイリバーへと向かう。久しぶりである。実は今回ラブリバーという160マイル離れた
川に遠征する予定だったしかし西風が強く天候待ちしたほうが良いだろうとのコメントだった。
週末に落ち着くよていなので様子見で近くへ行くわけである。


相変わらず船は全速でポイントに向かう。

バラマンディのポイントはティンバー下やガッターと呼ばれるストラクチャー周りキャスティングで多くのバラマンディを
釣るためにはストラクチャーの状態を分析しておく必要がある。基本的にシーバスと同じで物障についているのか
カレントや地形にそってマイグレーションしているのか?そのあたりの状況の把握が必要なのである。
例えば倒木があったとしてもその近辺の水深が浅すぎたりすれば魚がついておらずまた深すぎても
ベイトが更に奥に入れる状況であれば魚が少なくなるといった具合。巨大な干潟の干満に対してガイドが
タイムテーブルを日々考えてチョイスしてはいるがテリトリーに対する微妙なフィーディングエリアの問題で
須らくレベルな結果とならない事が多いのが現状である。

これを判るまでには若干の時間が必要であり、とりあえずは連れて行かれたポイントでは打つ必要がある
ただ何処をしつこく打つのか?という問題においては上のポイントの写真で言えば地に付いた倒木の方
また生きた木より死んだ(枯れた)木を釣る方が良い。前田君が漫画で書いたような魚を釣って
私が小型のバラマンディをシャローのガッターから釣り上げる。

初日の午前中は潮が早朝から下げていた。その為日が昇るにつれて広大な干潟が現れはじめる。そのチャンネルに
錨を下ろし待ちの釣りを行う事になる。まあ沢山釣れるので面白いといえば面白いが個人的には
ストラクチャー打ちの方が完結して面白い。

この船には休み時間がある。日本の船のように船長は休み無く船を動かし釣り人は一日中勝手に物を食いながら行う事はない。
10時と3時にコーヒーかお茶、そしてランチタイムがある。


そのうちジム達もやってきた。彼らは無線やランチタイムでお互いの情報交換を行って以降のつりをどうするかを決めている。
この魚日本にもいる黒鯛だと思う。?
コーヒーをのみ終わり、釣り再開し昨日のオカッパりで釣ったサイズより小さいバラマンディを
幾つかとハタやトレバリーを釣った。ここにくればどんな時でもブッシュ打ちが出来るわけではない。
こだわれば出来るがそれではない物ねだりになりかねない。
何故つれたか?これが大筋判ることも釣では大事なところである。


結局は昼が下げいっぱいとなり昼飯を迎える。これから有望と思えるチャネルに移動する。乾季の為ブッシュファイヤー
の煙があちこちで立ち上っている。地球温暖化という言葉が頭をよぎるがジャングルの整備の為に燃やすのと
草刈木で木立の間を駆るのではやはり前者を選択せざるをえない。それにこの火は自然火災の場合も多い。
下生えを火によって押さえる事によって大きな木を守るというのはある意味自然が選択した1つの方法であろう。
森を維持する一つの方法とも言える。







ランチタイムに最近の状況を聞いた。ラブリバーで先週1mオーバーが何本も上がっていたらしい。
ところでガタをみるとところどころに穴があるそこにはたいていマッドクラブと呼ばれるカニがいるのだが
穴にルアーを入れるとペンチでつぶしたようにボッキリ折られるか潰される。通常はクラブポッドと呼ばれる
ネットを仕掛けて採るのだが
見つけて釣るのも面白い。ただ先にも言ったようにルアーと交換という状態である。

大きくなるとなかなかデカイしかもまあまあ美味しい。ケアンズあたりのレストランでは60ドル以上する高級食材で
あるがそこまでのものではないとおもう。これなら竹崎カニやタラバの方が相当うまい。
そういえば大昔ケアンズにトニーというレストランが有ってそこにテレビスタッフと飯食いに行ったら、
スタッフの数人がフィンガーボールの水飲んで大爆笑した事があった。
あの時はたしか30ドル以下で食えたように思うが。いやはや美味しい話だけが先行して今だ高騰しているがここでは
ローカルなら10ドルぐらいで手に入れることが出来る。

 


昼になって若干状況が良くはなったがキャプテンデイビットは多分昨日の我々の話しを聞いて
例の公園前の並びに夕方入るつもりらしい。3割ほど満ちたぐらいで別のポイントに入り。小さなバラを釣ったが後が続かない。
魚は満ちこみと共にマングローブの根の奥に入ろうとする。その境目でフィッシュイーターは待ち構え捕食している。 
濃い泥水の中から時折バラマンディの捕食音が聞こえる。

丁度昨日と同じ時間になったので昨日まさにバラマンディが釣れた場所に来た。ブッシュに数回投げてアタックはあったがやはりボート
からと
ショアーからではここまで違うのか?と思わせるぐらい感じが違う。そんな中今村君がUZUのチンパンで昨日と同じように魚を釣った
かなりつり方が好きな状況ではなかったが、ポイントの前でアンカーがかかった状態でしかもお茶飲んでいるので背に腹は変えられず
自分もチンパンを使ってバラを釣り上げる。

沖めのラインをスクールしているベイトを根ねらっている魚はかなりのファイターである。しかもサイズがデカイ。
結局時間までこの近辺で魚を釣りながら港へ入ることになる。

海外における釣りというのは家族や交友関係の維持にかなりのウエイトを占めるようである。日本でもたまにはやるが。
欧米文化の取り込みはある意味うわべだけの取り込みが多いのも事実である。別に釣りを推奨しているわけではない。
ただ、あまりにも普通なので、日本はチョイずれている感があると思っているのである。
第2週末には家族や友人と共にキャンプに行くのが通常で事ある度に彼らからその時の事を聞くわけだが別にこれが普通
という事らしい。なんとも羨ましい話である。
岬にアボリジニーの一家が釣りを楽しんでいた。投げ網に、泳がせ釣りのフロートそしてルアーというなんとも大らかな魚釣りである。
だからこそ家族もついてこれるのかもしれない。