うふあがり島
遥か東にある島



事の始まりは昨年5月大東島に行こうという計画が持ち上がった実のところ沖縄で行った事の無い島である。
それゆえ行ってみたいとは思っていた。そしていよいよという時那覇で足止めを食らって帰ることになってしまったのである。
たぶんここを目指した人なら結構な割合でこういった目に遭ったことがあるに違いない。その昔与那国空港で
台風の接近で欠航となり2日間ゲート前に泊まった事があった。時間に追われる社会人にしてこれは
かなりの痛手であるはずである。
今回長年アルバイトしたヒューマンを辞めての旅だったので時間的制約無し釣れるまで勝負的釣行ということになった。
大東島が何処にあるのか?那覇の東360キロに忽然と姿を現す孤島である。上陸100年という比較的新しい島である。
形相は回転焼きがテーブルに平たく置かれた形である。それゆえ上陸が難しく長らく無人島として有ったのである。

大久保幸三氏直筆サイン帽子????



今回は不定期旅行なので旅を面白くするためにフェリーにしてみた何というか14−5時間は普通にかかる。
だが欠航も少なく船酔いさえ恐れなければこれもまた楽しいたびとなる。まあトカラ行きの十島のもう少しロングバージョンと
いったところである。徳之島からこっちこういった手段をとることが多くなった。
那覇に到着し、たぶんもう食えなくなる肉を食いにジャッキーステーキハウスに行ってお肉との別れを一時の間惜しみ
ばたばたと泊り港にむかう。タクシーから港に泊るフェリーを探したが貨物船以外は見れなかった。
ふと船名を見ると「だいとう」としっかり書かれている一寸不安になったがとりあえずチケットを買って乗り込む。
安い、飛行機の約5分の1である。とりあえず乗り込んで船室に入る。重油のにおいとベッドや座敷の綿のにおいが
いっせいに鼻につく。そしてなんとか寝台に潜り込んで眠ることになる。
15年ぶりに船酔いの薬を飲んだ。久保さんが最近の薬は効くとゆっていたからであるが効果は定かではない。
その2日前は長崎の磯を延々と歩いていたので、死んだように眠ることになる。
翌朝8時過ぎに南大東島に到着する。この船は島のライフラインの為いったん那覇を出て片方の島についたら
お互いの島を数回行き来してからまた那覇に戻るのである。その間約6日間で通常は仕事を終える必要があるが
今回はどうなるかわからない状況での釣行だった、

島に着いたが岸壁に船がつくことは無い、ここは日本でも唯一港が無い島なのである。沖ブイ
から船を引っ張り今度は岸からひっぱるそしてじわじわと4点5点張りを調整して岸壁ぎりぎりに船を
固定押して後はクレーンですべてを上げ下ろしするのである。すべてといえば判るはずであるが
人間や家畜も同じである。


因みに雨が降っても同じ状態で傘もさせずに吊るされる。濡れたくなければ合羽が必要である、



で二六荘の車が迎えに来てもらって宿へ
この島にはハマユウ荘というとてもハイカラな宿がある。声優の菅原氏から
紹介を受けていたが地理的な面と価格でこっちにしてみた問題があればそっちにしてみれば良いと
考えてのことである。1泊3食付4750円は超安い。それに飯は全然まずくない。むしろ
美味い。それもそのはず二六荘は島内3つしかない内の1つである食料雑貨店を経営しておまけに
島の労働者向けの弁当の仕出しもしている。そのため飯も10升炊きのガスで炊き米も美味しく
おかずも結構な量がある。 お金の無い若者や加齢臭のにおうオヤジには十分過ぎる宿である。

そこの昼の弁当
で着いたからにはやっぱり魚釣りしかない。荷を解いて雨の中釣りに行くことになる。

この島には3箇所ある岸壁の一つ西港は宿から歩いて10分のところにある。
アメリカ軍統治時代の燐の積み出しの岸壁は恐ろしく高いたぶんトカラの防波堤の1,5倍はあるだろう。
普通に落ちても気絶ぐらいしそうである。

二六荘の食堂どういうわけかGTの写真がいっぱい飾ってある本格的なシーズンは再来月あたりらしい。
昨年お願いしてキャンセルする羽目になった知花船長に電話して状況を聞いてみる。実は今回まったく
予約入れていない。こっちの都合に合わせてもらってキャンセルするのは一寸気が引けたし
そういった状況で結果がでる確証が無いからである。聞けば船長かなり忙しいらしい。島に4−5台しかない
オーストラリア製のコンバインのオペレーターの仕事が忙しいらしいのである。
あと15日はかかるよとのこと。まあ暇暇に乗せてやるよとの話で終わった。
ここで後ろが決まっている人間なら不安になると思うが今回はまさに「ナンクルナイサー」。状態である
どしゃ降りの雨が降ってきて宿に帰る。ここで風邪でもひくよりいろいろとやることがある。
翌朝

日が昇って私は自転車彼らはバイクを借りて島内の岸を回ることになる。自転車は1日1200円、バイクは2200円で
借りれる。で昨日の西港で目いっぱいジグを投げて底をとってジャークしてくるトップで出る確証が無いしプラグを扱える
海面の状況ではない。下に降りれば必ず死ぬ事になりそうな天候である。この岸壁にいても波を時折かぶる。




史上最強のオナニスト新留君が魚をヒットさせる。けっこうでかい。しかし動画をまわし始めて5分でフックオフしてしまった。
ショアーの状況を説明すると大まかに言ってこの島の水深は三段階に別れている。まず磯だが珊瑚の隆起で出来ており
コケレバ必ず怪我をする。波による侵食層が海面1−2mにフラットとして海岸線全周に回っている。いきなり崖から垂直なら都合が良いが
やや前方に陸上の障害物があるわけである。凪の時は先にいけるのでまあまあ良いが時化ていればかなり危険である。
そして水深5mから10mのラインが岸から50−100m程続き 続いて20−30mのラインに段差がついている。
これが無い場所もあるがおおよそこんな感じである。何処も釣りはできるが相手がレベル以上だと一寸苦労する。
水中の形相はどうかといえば通常陸上の状況がそのまま海へと考えるのが順当だと思う。深いチャンネルも見えることから
磯からはかなり苦労する可能性がある。

本日は北西の風が強く波3mという予報である。ちょいと風の方向に行くと晒しの幅は100mちかくなり足場も
海抜10m以上からということになる。要するに一寸普通の状況ではないということである。
これでは釣りにならないので自転車で空港方面へ行くことになる、約30分後空港裏に立つ。ここは風が
やや後ろから来るので。海面はうねりだけであるが時折来る大波はかなり危険である。北九州にいると
波のトルクに対する感覚は薄くなる。太平洋岸や沖縄の場合波のトルクは非常に高くちょっとした波でも
事故につながりやすい。

↑もう一つの玄関口空港
ミノーをチョイスするとリーフのいろいろな魚がチョロりとするがいまひとつ活性が悪い。

↑空港裏と島のプールビーチが無いなら作ってしまえ的である。最近は海水淡水化プラントの横に普通のプールがある。
しかし授業の水泳の時間がこんなところだったら楽しすぎるはずである。

釣り場をさらに風裏の江崎方面へ移動すると宮崎船籍の船が岸から100mラインを静かに流して釣っていた。


これぐらい離れていても水深100は普通にある。

一番の風裏のポイントでも下に降りるのは危険であると判断した。この場所は沖に向かって大きなスリットがあって
えさつりでも大物が釣れそうな場所である。

その200m沖に鯨の親子が仲良く泳ぎまわっているのを見た時点で今日という日が終わった気がした。
聞けば鯨は島の周りにけっこういるらしく。子供の為か時化ていない方の海岸に良く見られるそうである。
その夜のことである。亮太がなにやら私に虫を持ってきた。

何これ?糞ころがし?と思ったがここは一つ家の6歳児にして専門家にメールで問い合わせてみると
ヒサマツサイブトというカブトムシの仲間で固有種という話である。それがこのくそ寒い中に居るとは
一寸考えにくい通常この手が出てくるのは沖縄でも5月後半からである。確かにバッタは沢山いた。
この時期に成虫が居るのはバッタにしてはすごいと思い。冬になったらバッタはバッタだけにバッタリ倒れて死ぬのが普通だが
ここではオヤジギャグと一緒で冬をしのげるらしい。島では切実な問題できじを繁殖させて対処に
取り組んで失敗した等いろいろ苦慮されているとの事そんな島民の心情を考慮して10匹ほど自転車でひいてみた(嘘
とにかくこいつは作業の合間に掘られて宿の誰かに連れてこられて来た可能性が高い。
場所の特定も出来ないので埋めるにも埋められず。暫くは居候させてやることにした。


次の日一日時化が続いた仕方ないので部屋で原稿でも書くことになる。
そういえば今月のソルティのネタを入れなければらない時期になっている。
血気盛んな若者2人は自転車で時化た海に出かけていった。夕方まで大して魚は釣れなかったらしい
来て3日もなるが船は程遠いあした少し天候が良くなるという話である。


翌朝やや風が凪いでいる。とはいっても海はすごいことになっている。しかし十分休んだせいでやる気である本格的に岸周りをやってみる。
昨日までちかづけもしなかった、来周北西側から釣りを開始してみる。そこで私が3本かけて2本カスミアジを釣った。
もちろん岸には近づけないので波と魚の逃げる方向を考えて気合で取り込みしなくてはならない。

この場所でも海抜6m以上はある

続いていいサイズがヒットしたが根にぶら下がってしまい捕れずにラインブレイクした。
まあショアーロッドで面白いサイズのカスミアジがポツポツ混じってつれてゆく。ブレイクライン迄ジグを投げて沈めてしゃくってくる。
カスミアジは表層での留めからのフォールに反応しやすい。

↑手前のブレイクをどのタイミングでかわすかがかぎとなる。まあ魚が1−3キロなんで助かってはいるが。

海抜20mフィッシングもだいぶ慣れてきた。ドロップが近くてさらしの薄い場所を重点的に叩いてゆく・
6枚程つれたところで。北港の辺りに回ってゆく。


私がアオチビキで遊んでいるころ亮太がMTを釣った。本日ジャベリンジェット爆発中である。



私にもちょっと良いやつがヒットした。

北港の近辺は雰囲気は非常に良い初っ端のポイントではアオチビキがヒット。続いてカスミアジからGTとボツボツ良い感じに
なってきた。ポイントはかなり続いているようである。凪いだらもっとおくまで行ってみたい。しかし昼飯の時間である。
それにいったん宿に帰って沖釣りの用意がある。海が凪ぐ=船が出せるである。しかし時間になっても船長はなかなか現れない。
結局は3時から2時間ほどの出船となった。それでも沖に出れるだけありがたい。

先にも言ったが北大東島には港が無い。港は丘にある。ここから毎朝船を車で引っ張って
岸壁にあるクレーンで3つのうちの何処からか船を出すのである。ある意味合理的であるが船のサイズが限られる。

このサイズをトラックで運ぶのだが正直チト怖い。

このロープ切れたことが無いのか?と聞くと有るという答えが返ってきた。それ以上聞くことは無くなった。


船を吊る走行クレーンこれがどの港に止っているかで何処の出航か?が判る。


大東島の魚釣りは潮を読まねばならない。場所によって潮が早い場所を重点的に釣る事になる。
黒潮本流からは遠く離れているので日々の干満のほうが釣果に影響する。時期によっては支流が当たる時期も
有るがあてにはならない。生態系自体も回遊魚以外の生産性がどの程度あるかは不明である。


12キロかそこいらのキハダが90mラインでヒットした。他にもちょっと飛んでるマグロも居たがこういったとき両方をやると
失敗してしまうのでジギングのみにターゲットを絞る。江崎から南に下ったコーナーで釣を行う。相変わらずうねりはすごい。
久しぶりの沖縄の波に多少頭痛がしてくる。200mラインを静かにジャークしていると100mでネリがヒットしてきた。
本格的なシーズンはこれからで浅い場所に入ってくるらしい。

500m島から離れると300mという深さもちょっとちょっと慣れがひつようである。
ジギングは群れに当たらねば不毛である。しかしパターンが判らねば獲物は取れないもう少し時間がかかりそうである。
行けば釣れる等という子供じみた考えは当に消えうせているが感触の無いものをどうするか?いくつかのパターンを辛抱しながら
試すしかない道はまだ遠そうである。

夕方6時になり沈む夕日とともに港に上がる。明日から多少天気は落ち着くようである。

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