austlaria
6時に目が覚めてしまう。起きればテレビをつける。何のことの無いニュースそして
グリーンピースのCMお国柄だろうか?日本で流せばきっと大問題となるに違いない。
彼らの言ってる事は判るが鯨の代わりに人を減らせない以上鯨を減らすことになるのは目に見えている。
まあそんなことを思いつつサンスクリーンを体に塗って、痒み止めも塗る。実は早速サンドフライの
洗礼を受けたのである。日本からスキンガードを持っていって万全なはずだったのだが
敵もさるもの袖の裏からとかはまだしも長袖シャツの肩から両脇に大きなベンチレーションがついている
シャツのその網をかいくぐって刺しまわるという状況である。私の背中の両サイドには彼らが行った
吸血行脚の跡が転々と続きしまりの無い背中を更に見苦しくしてしまった。こいつがまた痒いのである。
多分免疫の問題だと思う。私の自宅は刺されないと豪語する兵すらボコボコに刺される場所にあり
ひと夏に蚊取り線香を1000巻きは使うだろう。どこかのモニターになれるかもしれない。
刺されても痒みはすぐにとまり腫れもしない。。しかしそんな私ですらかなり腫れているのである。
おまけに痒い。これに遭ったのはパラオ諸島のオムルウル岬で雨の中タイドプールに半袖半ズボンで釣りしていたら
300箇所ぐらい刺されて眠れない夜を何日も過ごした経験がある。その為現地でスキンガードを
調達するのだがこいつがかなり強力で虫に刺されるか毒で死ぬかという選択を強いられるような代物で
プラスチックフレームのめがねの上からかけたりするとフレームが飴のように溶け出す。
これをやれば蚊はおろかハエすら止まらない強力な代物である。スキンガードというより
網戸に使う殺虫剤に近い感がある。他にどんな虫がいるかといえばでかい蜘蛛と
アリである。アリはかなりでかくうっかりテリトリーに入ろうものなら噛まれる。赤いものは蜂と同じで
針を持っており刺されれば命にかかわる場合がある。勿論毒蛇もいる。だからむやみに道路以外を歩くのは
やめた方が良い。因みにこのあたりで有名な虹色クワガタは来月に出てくるらしい。




町を歩けばマンゴーの木にあたるといえるぐらいマンゴーだらけの町である。今は春なので花が終わって早いものは
ソフトボールぐらいの大きさになっている。ただあいかわらずアリが多くちょっとした公園でもシロアリの
道が一本ごとに樹上に向かって伸びておりグリーンアンツのコロニーも樹上のそこかしこにある。こんな町の木造住宅は
どれほど持つのだろうか?↓


ウェイパのデビッドニューマンが作ったウェイパフィッシングアドベンチャ彼一人から始まったビジネスも今や大きくなった。
ホテル前に2台のトレーラーが並びそれぞれに乗り込む。ミッションリバー側からボートをだして一路パインリバーに
向かう。昔彼のボートではかなり難しかったこの川だがボートがでかくなった今では楽に行ける。


今日から4日間ジムとトロイの2ボートでの釣りが始まる。どちらかといえばジムの方が釣らせる可能性がある。
静かな釣りかたができるジムと、調子に乗れば大釣りするトロイである。釣り場の条件もあるのでまあどうなるかは
あけてみないと判らないということである。


バラマンディの釣り方には大きく分けて2種類ある、バラマンディ独特のストラクチャー打ちである
非常に面白くずっとやっていてもいいくらいだが、もう一つはオープンな場所で尚且つ
地形の起伏にてマイグレーションする魚をメインに釣っていくやり方である。勿論どっちの釣りも基本的には
摂餌の為にそこにいる魚を釣るわけだがどうもこの目に見えないポイントの釣りがあまり好きではない。
何故ならこういったポイントは日常の積み重ねで見つけるポイントであるからである。だから
我々には言われれば判るが基本的には判らないポイントということになる。まあ、人のお陰で釣れている
のをなんとか自分のお陰にしたいというつまらない思惑がここで発生しているのは間違いない。
リバーマウスから直ぐのところで3匹釣って

更に奥に入ることになる。満潮からやや下げの状態であるので川の上流部か中流の適当な場所を探す。
このあたりの河川はゆっくりした流れによる侵食で作られている。潮汐や雨季の水の流れによるものだ
蛇行し入り組んでいる、その為流れを読みより魚が流れに集まりやすい場所で尚且つ
釣りになりやすい場所を選択する必要があるのである。当然ながらちょっとした水底の起伏や倒木の周囲の
流れによって掘れた部分などが対象となる。それに微妙な深さが必要である。あまり深くても
よろしくないようでルアーのスタートが60−1mの水深から落ち込むようなポイントが多い。
さきに述べたようにストラクチャーの場合はそんな感じだが、カレントフィッシングの場合は若干違う。
蛇行するチャンネルの水深をタームテーブルにしたがって順繰りに回るのである。例えば
300mm四方のフラットがあって水深がプラス30センチのチャンネルが一本入っていたとする。
潮で徐々に水面が下がっていくとする。水深30センチならまだ魚はフラットに点在しているが
10センチになればチャンネルの中に入らざるを得ない。ということはチャンネルの入り口付近でアンカーリングして
投げていればフレッシュな魚が次々にヒットするという具合である。これが好きか嫌いかは別にして
数は釣ることが出来る。昨年ガイドだったマーカスに聞いたら、一つのポイントで100匹つった話を聞いた
同時にビデオも見せられたが他人の結婚式や子供の運動会を見せられているみたいで面白くなかった。

今回バラマンディ用に持っていたのはアイルマグネットをチューニングして
シンキングをフローティングにしたものこれがメインでその他そのつど状況にあわせて
ホテルの部屋で調整して次の日使うというやり方をとっていた。このつりで必要なのは
あまり大きくないプラグをいかにシビアに投げられるか?
というところにかかっているので小粒でも投げやすいことが大前提。9センチ以下で
軽く投げて伸びがある物がよく尚且つ状況によってハイフロートからサスペンドに近いもの
まで用意しておく必要がある。


この釣りにおいてもっとも入手しにくいタックルはロッドである。私の場合は勝手に色々なメーカーの
竿を改造して使っているが市販品には見当たらないのが現実である。ストラクチャー打ちであるなら
ライトジギングロッドのガイドをオールチタンの8mm以上のものをつけてグリップmpセミダブルあたりにしておく方が
やりやい。基本的にはロッドの強さは釣りたい魚の大きさにあわせるのが普通だと思うが
軽いルアーを使い正確なキャスティングを必要とするこの釣りにおいて必要以上に
ロッドが硬いということはかなりのリスクとなる。因みにシイラ用のオーシャンハンターの7,0ftの
バットを外してシングルハンドの55ftを作って持っていった。なかなかよくて今回は殆んどこれで
ボートからの釣りを行った。


アーチャ−フィッシュ今年も淡水が多い場所では必ずヒットした。

こんな場所では後ろはかなり辛い船がポイントを通過すると後ろはかなりプアーな状態に陥ってしまう。
しかしなんて景色であろう。マングローブの生命力のなせる業といえばそれまでだがこういった釣り場で
釣りができることじたい幸せである。抜けるように青い空それに濃い緑織り成す景色にただただこうして
竿を振り続けられることを願うばかりである。
この時点でバラマンディはボツボツ釣れていた実は舳先にいる鎌田君と賭けをしていたのである。
舳先で釣れるのは通常当たり前である。常に活性の良い魚の前にルアーが打たれるわけだから
多少のズレや動かし方等決行甘くて良いわけであるが2人後ろの私はそうは行かない
そこで一番後ろの私が舳先よりバラマンディのみのカウントで上回ったら
舳先の人間に夜飯をおごらすという罰を科していたのである。この時点で私が7匹蒲田君が3匹という
夕飯が目前な状況であったが昼近くになってガイドが狭い水路に入ってしまい釣れるのは舳先のみに
なってしまった。立て続けに3匹釣られてリーチである。




魚の総数ならダントツだったが余計な魚に縁が深い私の場合辛い状況になる。


昼飯の後ガイドのトロイはパインリバーに見切りをつけて一路ミッションリバーへと船を動かす。
どうやら我々にデカイバラマンディを狙わせるつもりらしい。

ところがである途中ちょいといいところがあってリバーマウスの前の岩周りで
バラを狙い始めた。私は何か予感がしたのでポッパーを使ってみた。何故ならこういった場所にはバラも居るかもしれないが
バラよりもっとデカイ何かもいるはずである。予想通り回収で巻いたポッパーに20キロは有りそうなGTが襲い掛かり
あわやフッキングと思われたが乗らなかったしかし次のキャストも10キロぐらいのがついてきた・・・。
水深は3mほどしかない多分ヒットしたらガイドは猛烈な勢いで上をキープして延々追いかけるに
違いない。そのうち蒲田君が大きなクイーンを釣って終わってしまった。

小一時間かかってミッションの入り口に着いた我々だったが、残念ながら河口前の岩場は
海から吹く海陸風で大荒れ状態。荒れるだけなら問題は無い釣りは普通に出来るのだが。
いかんせん波で泥が舞い上がりコーヒー牛乳並みの濃い水に大型のルアーの効力さえ
信じられない状態である。トロイもさすがにあきらめてミッションの支流のクリークに入ってしまった。
またもや狭い水路攻勢に私はなすすべも無い。この辺り10年前は多分釣れていただろう、多分
5年前もしかし今は釣れない、やはりここにも開発の波は確実に押し寄せて来ているのだ
基本的に人間が自然から摂る物に関して人間が多くなれば確実にその数は減るそれは
間違いない。だから排他的なポイントほど魚は釣れるのである。11年前デイビットとこの辺りで
魚釣りをしたことを思い出した。思えばオーストラリアという土地は私に多くのことを教えてくれた。
釣り人として未熟な面や人間としても同じくである。この国に来てできたルアーの数々もあった。
ツルポップはバリークロスを黙らせるために作ったのがきっかけであった。
昔を懐かしんでいると。前でまたもや鎌田君が本日7匹目のバラマンディを釣り上げて
わたしと並び夕飯の賭けから逃れた形で終わってしまった。


23歳にして始めてこの地を踏んでからある程度の腕前にはなったがまだまだ結果が出せていない。
もっとガイドが感嘆の声をあげれような釣り人であれねばそのあせりか?ホテルに帰ってもルアータックルの
チューンに時間を割いていた。

現場に行って行う究極のチューニング
DDのリップを他のルアーに換装したりミノーを
ポッパーに改造したり、同じ素材とプラスチックの融点を考えつつ
実戦でしっかり使えるルアーに改造するのである。
主に使うのはホテルに有った薄っぺらいスプーン

これをハンドトーチで炙りつつ飴細工のように
ルアーを作っていくのである。アイルマグネットのフローティングが
ダイバーになったりスレッジがチョっピングベイトになったり
シンキングミノーをフローティングにしたりするのは朝飯前である。