居ないはずのブリスベーンの河川にてバラマンディ。

バラマンディを始めて釣ったのは随分昔のことであるあれからいろいろな事がわかって極近い魚としてとらえられるようになった。
私の釣りに限らず誰しもそう思う魚はいると思う。多くの日本人がバスやシーバス青物などそうした魚を近く感じる努力をしていると思う。
私の場合ややそれが遠くに居るだけで別に何も変わりはしない。その他の魚種同様に理解には時間がかかる。その呪縛から逃れる
ために一部の人はサイズを目指す大きいものを釣ってしまえば一応終焉を迎えたような気にはなるのだが基本何の意味もないことである。
人の為に魚を釣っているわけではないからだ。今回はサラトガの後に挨拶程度とは言ってもオカッパりも含めた多くの時間を費やすことになる。
バラマンディもアカメも本来は丘からのターゲットだと私は思うただこの国でバラマンディが居るところにはワニがセットになっていて
かなり危険な釣りとなる。そのためボートを使うことが多いわけだが。釣りそのものは日本のそれとさほど変わりはしない。
数匹であるが日本でもアカメは釣ったことがある。その希薄さに色々なつりの定説が横行するが基本同じ魚と考えて問題ないと思う。

今回は大きい魚が入ってきていた。丁度いいシーズンだったのだろう。ガイドがどこ行きたいかと聞いてくる勿論パインリバーと答える。
この川は未だコンディションも良く大きなバラマンディが釣れる。他の河川ではお勧めはウェンロックであるがかなり遠い。2日がかりの釣りとなることが多い。
最近はラブリバーという場所もあるが。基本今回はウェイパ近郊での釣りをメインとした展開にしようと考えていた。そのためレンタカー
を借りて釣りをするという状況であった。それでも長年の付き合いであるデイブ船長との釣りはやはり楽しみである。
マッドな釣り人であるが私は彼から多くを学び師の一人として尊敬している。
パインリバーは川自体の流れは殆どない雨季にはもう少し有るとは思うが基本塩分量の多い河川という事になる。
このリバーマウスからちょっと入ったところにスポーン中の群れが居るらしい。遥か西のフィッロイ川では105キロという途方もないバラマンディが
あがっている。このくらいになると小さなワニぐらい食えるだろう。人も食えるかも。ただここ20年弱そんなサイズはこの近辺で見たことはない。
大きくて1m前後といったところである。
リバーマウス直ぐのロックから始める。バラマンディは結構浅い場所が好きである。思えば何かとルアーのトラブルが多い場所を好むこの魚は
毎回リスクという名のハードルの向こう側に居るのである。とは言いつつもこっちもアホじゃないので色々対策は練ってくる。今回は30センチも
潜らないリップレス90mmを持っていった。これをツイッチで使えば粗根がからない。ラテ色の水にうっすらと幾つかの岩が見え隠れする場所で
水の中にルアーが残るようなタイミングでルアーを操作してゆく。するとあの特有の鋭い吸い込み感の後魚の動きが伝わる。あがってきたのは
70センチクラスのバラマンディ久しぶりの魚である。基本ジグロッドの柔らかいバスロッドの硬いベイトクラスで釣るのに丁度いい魚である。
このひきはシーバスよりややひく程度である。しかし短いロッドで釣るのでかなり面白い。


風が強かったが桑野君を含めて幾つかを釣り対岸の同じような潮の因れを狙う。ポイントの選定の仕方がバスの湖流釣りによく似ている。
対岸も同じようにマングローブのショアラインから50−70センチの10m前後の肩の上に岩が有りそこを狙うのである。最初にばらしたのは
久々の大型だったキャプテンがアミを出してくれた瞬間フックオフした残念である。気を取り直して数投しまた70センチ台を釣り上げる。
それから3人でボツボツ魚をヒットさせるが数はあがるがサイズはいまひとつなのである。私のささやかな望みといえばブッシュから1mを
はるかに超えるサイズをキャスティングで釣りたいという事なのだがここ数年そうしたことはトンと縁がない。数釣りなら問題ないがサイズが
上がらない基本そうした場所に入りにくいか?未だ見えていないのである。それが判らないからここに来ているともいえるだろう。
おそらく我々が釣っている水深は大きなものにはかなり不足がありもう少し考える必要があるということではないかと思う。
しかしあくまでブッシュキャスティングで釣りたいので今後も色々努力はしていくだろう。

レンタカーを借りているので
色々回ってみる。実のところボートからより80センチクラスまでなら日中レンタカーで丘から釣ったほうがサイズは釣れる。
真面目な話である。まあリスクは伴うが・・・。何時ものように水深にあわせてポイントを移動していく。砂地や泥地以外
例えばカキガラが多い岩礁帯ではワニの遭遇率は低い。(しかし0%ではない。)そういった場所はバラマンディやコッド
等色々な魚が居るので面白い。ただし潮や風を見ていかないとまったく釣れなかったりする。
車でウェイパ中をぐるぐる回り80センチを頭に10本あまりを釣ることになる。使うルアーはボートとさほど変化はないが
浅いのでシンペン系のプラグをある程度駆使したほうが釣り出来る。


そして夜である。最後の夜なので橋の下に釣りに行って見た。日本の釣りでは日中のそれは粗ないが夜間のそれはある。
そしてそれも粗同じである。サーディンやマレット.ガーフィッシュ.へリング等のベイトがライトに集まるので当然バラマンディも
そこに集まる。夜の釣りはかなり危険ということ意外は日本と粗変わらない。定期的な捕食音が聞こえるラインにsppをゆっくり
投げる。いいラインに乗ったと思うとデカイ捕食音と共にバラマンディがヒットする。ここまではたいして危険ではない。問題はこの静かな
夜の闇の中で水面を炸裂させて魚がもんどりうっているのを聞き逃さない生き物の存在である。当然だが魚がこれだけでかいとごぼう抜き
は無理つまりハンドランディングしかないのだがどう考えても超危険である。その為岩の間を通して手前に引っ張ってから一瞬ライトで水面を確認し
取りに行く。こいつがかなりどきどきである。今年また行くが網だけは絶対持っていく。こいつがないと毎晩やっているとおそらく食われるはずである。
ここいらのワニは6Mぐらいまでは確認されているし保護動物になってからますます増えている。ここまで危なくて保護もくそもないと思うが・・・。


岡村さんの95センチを頭にこのクラスが4本あがって私はというと針伸ばされたりいろいろあって70センチ台にとどまったが1時間でヒット7であった。
一晩中釣って居たかったがそうも行かず終了してしまう。
今年はこれのやり直しに行くつもりである。ただし、魚は殺さないように釣らないといけないので
程々にしておくつもりである。

翌朝ベッドで目が覚めたことを強烈に後悔した。出来うることなら釣り場に居たかった。しかしこればかりはどうしようもない。
まあおそらく何か夜中に釣ったとしても基本コンプリートすることはないのである。それだけは違いない。
また飛行機の待ち時間があるので早めにチェックアウトしてまた色々行ってみる。やっぱ日中は面白い。そう思う。
ギリギリまでルアーを投げ来年の構想の芽と共に帰路に着いた。