15年5月時点の所見
いろいろなガイドが出ておりましてそれぞれに薀蓄があって悩まれる方がいらっしゃるかと思います。
(個人的な所見です)
- 素材の差による考察 ロッドについているガイドですがよくよく考えて見ましょうガイドは軽いほうが良いガイドとされています。私もまあそうかなと思いますがではステンガイドとチタンSICとSICとルザイトと何グラム違うでしょうか?10gでしょうか?5gでしょうか?それとも2−3g?釣具屋でさおを振るときは空振りなんで当然軽い方がいい感じがするのは間違いありませんね。しかし現場ではどうでしょう?ルアーは?何グラムを投げますか?7センチ5gから18gぐらいまで程度ならシーバスロッドなら普通に増減するはずです。磯ならもっとあるでしょう。それで気にする部分は??ガイドが軽いか重いか?というのはややナンセンスな部分かな?と私個人は思っています。もちろん先重い空振りのとき必要以上に曲がるとか?いろいろ文句はあるかと思います。しかし竿作ってるほうから言わせていただければブランク側の性質を変えるのとガイドを一生懸命軽くするのとでは根本的に釣竿に対する姿勢が違います。つまりたったの2−3gの重量増加のフィーリングなどロッドブランクの反発や硬度調整の調整枠に比べれば屁のようなものです(笑)どちらかと言えば好きな釣り人が自分が長年使っているロッドに対する性能向上のために個人で行うレベルともいえると思います。ただくい込みだの 弾きだの拘る人にはそれによる効果があると思える人もいるかもしれませんが(笑)トップ重量で0.5gぐらいしか変わらない重さに対するヒットテンションの加速エネルギーを感じるのにブランクを差し引いてガイドで違いが出るか?と言う疑問 はかなり有ります。(笑)
- トルザイトの滑りについてですが現時点で実験には至っておりません。おそらくトップの糸鳴きや巻き取りに影響がある可能性はありますが特に飛距離が出るとかは物理的に顕著な影響があるとは思えません。以前ローラーガイドのメーカーがSICとどっちが先にラインを傷めるのか?と言う実験をやっていましたがSICが負けておりました。フレームの熱伝導 放熱性 も含めて滑りが良いからどうだと言う部分でハードロイから特に困ることのない釣りをしている我々にとって少しは変わるとは思えるけどと言うレベルかな?と言う程度と思います。何故なら ハードロイのときも SICのときも今のトルザイトと同じような宣伝ですから(笑) おそらく釣りがなくならなければ近い将来また新しい素材が出てくると思います。
- 気になっているのはKフレームに関して搭載されている点でリングが厚くなっていない分フレームへのアタリは大きくなるわけでその点がきになるところです。当たる範囲が広いトップガイドなどは従来どおりのSICのほうがよいと思います。
- ガイド径の大小について考察 ガイドの大きい小さいについて悩める方がいらっしゃいます。主にキャスト時のシステムの抜けに関する事柄と飛距離に関する事柄です。こうなってくるとKシステムの一般化した部分が良いか悪いかと言う話がまず先決です。まずKはシングルではなくダブルフットにして始めてその効果を発揮するガイドだと思っています。勿論青物用のロッドなどがそれにあたります。システムの抜けについてはそれを踏まえて考えれば大きくする必要はないかと思います。詳しくは総論をご覧ください。私がこの手のロッドで期待しているのはRVガイドの30以上の口径をバット側に使うシステムです。現在25mmまでしか出来ておりませんが今秋できるのではと言われております。現在の25mmサイズでもシステムの抜けは問題なく市場的に受け入れられるのであればそのまま換装して販売できると思っておるぐらいです。もうひとつはLCSGと呼ばれるダブルふっとのガイドですこれもフレームやブランクにラインは当たりやすくなりますが軽量化という面とロッドがコンパクトになると言う点では一考の価値があると思っています。 ただ飛距離と言う部分で言えばKガイドは穴があって旧ガイドの方が飛距離は出ます。これはKの斜めリングがスピニングからのスパイラルに出るラインの向きを扱いてしまい変えてしまうことから起こることで強く当たれば強く当たるほどサミングしてしまうような効果があるKの場合ひどい場合15%ほどの飛距離損失があります。ただこれは太い糸ほどおこることであって1.5号以下の場合は多少気になる程度に抑えられます。つまりGTロッドはだめだけどライトロッドにはまあ使えると言う具合です。またリールのアタリのキツイバットと2番目をスクエアーに戻しておけばその先のガイドの当たり感はKで糸が太くてもさほど変わりません 15年秋補足)RVの大きなサイズも出ましたので大物用にもガイドを選択する枠が出来上がってきていますただし従来のステンガイドを使っていたGTロッドがトルザイト化するとプラス3−4万円は覚悟が必要です。先にも述べたように重いルアーをキャストするタックルが重いか軽いかは微妙なところです。
- ガイドの絞り具合つまり30スタートからどの時点で10−8mmのトップに接続するか?ですが基本的には先端部分は3つ程度8からスタートしてその後段々太くすると言う方向でよいと思います。基本的にはそれでよいと思いますが若干大きくしても10程度までは通常です。トルザイトにすればガイド形を上げずにある程度内径を大きくすることが可能ですがあくまで対コスト比率の感覚の問題です
- 耐久性における所見
- トルザイトとSICはどっちが強いか?は言うまでもなくSICかとおもいます。 ロッド先端部に関してはSICのほうが耐久性は高いと思います。いつの間にか割れてなくなっている場合が多々あります。ロッドの先が岩などに当たったりしやすいので私個人はSICのほうが今のところよいかと思います。
- まあ巷には富士工業の供給に脅威を覚えるメーカーもいっぱいいて(笑)インターラインを始めいろんな素材のガイドがいっぱい出ていますが中でもカーボンガイド等も近年出ております。ライト系のロッドには使用できると思いますが40g以上の重量物をキャストする中大型魚を釣る竿の場合お勧めできないと思います。かなりフット部分に負担がかかりますのでお勧めできません。それと正方向以外での加重に対する耐久度自体はそんなに強くありません。これの前例でカーボンのハンドルがありますが私事ですが今まで2本折っています。カーボンとはいえ丸棒に巻きつけたのと単なる板を切ったものとでは耐久性は雲泥の差が有ると思います。それにカットされたカーボンの端面処理の問題はラインが絡んだときの切れにつながりますので注意が必要です。今後の展開で製法がもっと複雑になれば良くなる可能性が有ると思います。根本的な所をお話しておくとダブルフットの装着されているロッドはものすごくロッドが曲がったあとガイドの足の根元の部分が曲がっています。つまり一見フットがブランクに乗っているかのように見えますが中では踵だけくっ付いてつま先は浮いた様に力がかかっています。それを再度曲げようとすると事故が起こります。これはどの素材でもおこりますが特に強いフレームほどおこりやすくなります。
- カーボンのガイドに際しても一見ブランクと同じ素材なのでよさそうに見えますがその部分がカーボンが厚くなってしまうという点からガイドの前後から折れやすくなる可能性は否定できません。つまり竿を考えるにガイド自体云々というより総合的にブランクスやグリップなどとのバランスがどういう風に取れているかの方が大事だと考えております。その時の1っぴきのためになのかその期間をそれで行うのかは随分と開きがあると言うことです。
以上